中京大学 先端共同研究機構

Institute for Advanced Studies in Artificial Intelligence

「人の知をかたちに」人工知能研究の推進と普及

― 第2期(2021-2023年度) ―

共同研究プロジェクト

竹炭材料プロジェクト
 竹炭等の生物由来炭素化合物は、植物の自己最適モデリングの結果得られた精妙な組織構造を有しています。このような構造を人工的に再現・合成することは非常に難しいですが、われわれはその構造を利用することができます。
 竹炭が金属イオンを吸着するのは主に、細孔への物理吸着、酸性官能基への化学吸着、竹炭が含有する金属イオンとのイオン交換等によります。たとえば、道管等を由来とする竹炭のミクロ~マクロサイズの細孔は金属イオンの吸着に大きく寄与しますが、今までの研究で金属イオンの種類によっては炭の表面に残存する酸性官能基への化学吸着の役割が大きいことが分かっています。たとえば、セシウムイオンは低温で炭素化し有機物を完全に燃焼させず、あえて酸性官能基を残した“未熟炭素化竹炭”への吸着効果が高いのです。
 本プロジェクトでは、複雑で高度な自己組織化構造を有する生物由来炭素化合物を安心・安全な生活の確保に役立てるとともに、新しい人工知能材料の設計のための知見にしたいと考えています。
地球内部における3次元変動データ可視化に関する研究

 地震における個人の防災・減災対策や意識行動において、現象の発生原理やその後の経過状況を正しく理解することも重要な要素です。地震による揺れを感じた際に、揺れの大きさだけでなく揺れのタイプや、続けてくる波の感覚などを把握することで、自身が置かれているリスクを理解することが可能となります。具体的には、震波のP波、S波などのような性質を使った科学教育、実際に地震の揺れを体験する地震体験車やVRによるバーチャル体験などが知られています。
 本研究では、防災・減災対策に向けた科学教育のひとつとして、地震発生のメカニズムを可視化するツールの開発を試みます。地震の発生源とされているプレートの動きは、地球内部の熱対流によるマントルの動きによるものです。 マントルの動きを可視化することにより、地震発生のメカニズムの理解をさらに容易にするものであると考えられるため、VR装置などを用いてより直感的に可視化できる可視化システムを目指します。
ヒューマン・ロボティクス研究
 人間とロボットが共生する社会の到来を見据え、知能ロボットに関するさまざまな研究をおこなっています。文字で書かれたレシピを読み取ってお茶をいれてくれるロボット、人間のように道具を使いこなすロボット、人間の作業をお手本にして自らの動きを作り出すロボットなど、知的でフレンドリーな次世代ロボットを開発しています。国家プロジェクトへの参画や、企業との共同研究も活発であり、常に実用性を重視しています。
五輪史料プロジェクト
 五輪史料プロジェクトは、本学の貴重な資料(史料)であるオリンピック関連史料のディジタル処理を目的としたスポーツ科学部との共同研究です。ディジタル処理の対象はオリンピック関連資産および関連文書です。資産・物品としてはメダルなどを扱い、新たな技術によるそれらの展示方法の開発や分析を目的としています。一方、文書として第5代IOC委員長 ブランデージ氏が残した文書群を扱い、新事実発見のための解析を目的としています。
書簡交換の様子を示した図
ディジタルヒューマニティーズプロジェクト(DHP)
 行政機関などが保管する戦前期の公文書は古い字体を用いた手書き文書であり、解読が容易ではありません。歴史史料でもある近代公文書を広く利用可能とするために、本プロジェクトでは、本学社会科学研究所および公立はこだて未来大学と共同で、近代公文書自動解読システムの開発を進めています。
 近代公文書としては唯一体系的に残されている台湾総督府文書を題材に、近代公文書に現れる手書き文字の収集や、高水準の手書き文書認識技術の開発を行っています。
メディア工学技術の社会応用
 我々の研究グループでは、ICTを活用したメディア工学技術の社会応用を目的とした研究を進めています。
 モノづくりの初等教育用の教材コンテンツの設計開発では、対象を小学校の中・高学年程度の児童とし、電気・電子回路の基本的な知識を身につけながら、様々な機能やデザイン性をもつモノづくりの流れと魅力を知ることを目的としています。
 持続可能な発展のためのICTを活用した異文化交流活動ラーニングサイクル
 地域資源によるオーセンティックな制作と、それをグローバルに共有するICTによるコラボレーションにより、地域資源を活かしたグローバルな学習環境を構築するための新しい枠組みを提案します。
 オーセンティック環境でのものづくりの学びによる持続可能社会構築のための理論と実践
 地域資源を活かしたもの作りによって持続可能社会構築を図るLocal Domestic Products(LDP)プロジェクトを進めています。COVID-19によって身近な資源を活用する機会を活かし、大量生産消費社会で抑圧されていた創造性が喚起されることを見出しました。身近な資源の価値を認識し、行動の視野を広げ、社会貢献への意識を高める学習環境を実現し、地域のオンラインイベントで市民に共有しました。
 心電時系列異常検知プロジェクト
 心臓の電気的な活動を記録した心電時系列は、病気の発見や予防、治療などに活用されています。スマートウォッチ等で手軽に計測可能という心電のメリットを最大限に生かすためには、医師や看護師の補助なしでその異常を検知する技術の開発が重要です。
 本研究では、高速に学習可能なリザバーコンピューティングを用いて、個別適応可能な心電時系列異常検知アルゴリズムを開発することを目指します。

個人研究プロジェクト

  • 生物模倣製造プロセスの開発
  • AI・ロボット研究
  • 3Dロボットビジョン
  • 超高速パターンマッチング研究
  • 網膜視覚情報処理機能の解明に関する研究
  • beyond-KIZKI 機構の万能検査機の研究
  • 表面粗さ用フィルタの開発
  • 人と共生するロボットのためのビジョンシステムに関する研究
  • 物体の 6DoF 姿勢推定
  • 非接触呼吸・心拍測定法の研究
  • 脳コンピュータを実現する実装技術の開発
  • 科学啓蒙活動実施による地域への科学技術の理解増進
  • 宇宙利用の持続可能性を拡げる宇宙機とプラズマの相互作用に関する研究
  • 非線形ダイナミクスによるカラリゼーション手法の開発
  • 知的情報処理に基づく高能率画像符号化方式の開発
  • 網膜情報処理による画像の圧縮伝送技術の開発
  • OKQT理論による符号化法の研究
  • カオスニューラルネットワークを用いた組合せ最適化問題の解法の解探索時系列の解析
  • セキュリティ教材開発プロジェクト
  • 知識データベース開発に関する研究
  • ネットワーク環境における顔画像メディアの実装
  • 大規模数値シミュレーションとHPCに関する研究
  • 情報表現の理解・利用・生成の支援に関する認知科学的研究
  • 編曲を利用した音楽電子透かし法に関する研究
  • スポーツ競技における個人・集団の特徴的パターン検出に関する研究
  • 1990年代メディアアート作品の記録と保存
  • コンピューテーショナルデザイン研究
  • 深層学習を用いた周波数空間のモーション認識・生成
  • 人形浄瑠璃を用いたロボットインタラクションデザイン
  • 工学技術を活用したヘルスプロモーションに関する研究
  • ボンドグラフによる人体の動作に関する研究
  • ロボット教育プロジェクト(愛知県庁後援)

事業一覧

名古屋市科学館連携講座
 2013年9月、情報科学分野の教育・研究活動を連携して実施するため、人工知能高等研究所と名古屋市科学館は相互協力協定を結びました。この協定に基づき、2013年より小学生向けの連携講座が開かれています。
公開講座ソフトサイエンスシリーズ
 ソフトサイエンスシリーズは中京大学が展開する公開講座の一つで、人工知能高等研究所と名古屋市科学館が主催しています。1991年以降41回の開催を重ね、国内外の著名な研究者・アーティストが講演しています。
IASAI News
 研究成果や運営状況を公開するために、機関誌IASAI Newsを発行しています。