中京大学 先端共同研究機構

Institute for Advanced Studies in Artificial Intelligence

「人の知をかたちに」人工知能研究の推進と普及

研究所の目的・特色

 人工知能高等研究所では、高度な人工知能の実現を図るため、工学および関連学際領域を含む広い視野から人工知能に関わる共同研究を総合的に推進しています。
 また、公開講座(ソフトサイエンスシリーズ)の主催、機関誌IASAI Newsの定期的発などを通して、学内外への情報発信とPRに努めています。

所長の挨拶


中京大学先端共同研究機構
人工知能高等研究所長

伊藤 秀昭(工学部教授)
 人工知能高等研究所(IASAI)は、中京大学先端共同研究機構(ACRO)に属する組織として人工知能研究だけではなく、広く工学・理学分野を中心にした研究や、他分野との学際研究を推進する研究機関として位置づけられています。IASAIは、1991年から活動が開始され、1990年に設置されたばかりの情報科学部の付属研究所として設置されました。2015年にはACROが全学組織として発足し、2018年にIASAIはACROに移管されました。
 IASAIの組織は変遷しましたが、設置の理念や目的は、研究を実施し、支援するための組織として位置づけられています。発足時の理念や特色は、次の通りです。
 産学共同
 幅広い人間研究
 自由な研究環境
 若手研究者の育成
 コンソーシアム
 IASAIの環境や設立の経緯から、理念や特徴は「多様な工学分野の研究」「研究交流の場」および「産学共同」であると考えています。今後、社会動向や研究動向を反映しながら個々の研究やプロジェクトのテーマは変わりますが、研究所としての理念は色あせることなく現在に受け継がれていると考えています。
 今後、研究所は、社会や学内に開かれた組織として、さらなる「共同研究の場の提供」と「萌芽的研究の支援」に取り組みたいと考えています。これまでも一貫して「共同研究の場」を研究所は提供してきました。2022年1月において、研究所の研究員は約40名、研究員の共同研究者である特任研究員は約20名です。2018年に研究所が再編されたときより参画している研究員や特任研究員も多く、活発に研究プロジェクトや事業プロジェクトに携わっています。
 研究所としての魅力を向上することにより、新たに研究者の方々をお迎えしたいと考えています。そのための方策の一つとして、「萌芽的研究の支援」があります。研究所では、社会的に重要でありニーズの高い問題でありかつ実績をあげつつあった研究や、過去から継続するプロジェクトを中心として研究開発を推進してきました。むろんこれらのプロジェクトは期待に応えて、実績を積み重ねています。これらのプロジェクト支援は今後も継続していきます。既存のプロジェクトに加えて、新しい研究の芽となるような挑戦的な研究の支援を積極的に進めたいと考えています。このためにACROやACROに属する研究所、研究員の方々と議論を進めたいかと思います。
 ご存じのように、生成AIである対話型AIや画像生成AIに関して、特にChatGPTは新聞等で活発に議論されています。対話型AIは単なる技術の進歩としてだけではなく、国際的にも政治的にも利用方法やセキュリティに関して議論の対象となっています。議論には生成AIに批判的な議論ももちろんありますが、適切に活用すれば効率的な作業支援ツールとなるとも期待されています。ただし、慎重な個人情報の扱い、AI技術によって生成された情報の利用法や、真偽の見極めを含めた生成された情報をいかに利活用するかという判断、利用に関する倫理的な評価などの判断は利用者である人間に委ねられます。IASAIの活動を通して、皆様の知恵を集めることができ、生成AIに関する議論ができれば、社会に有益であるのではないかと考えられます。
 2020年から始まったコロナ禍での対応が、コロナ禍以前に戻りつつあります。また、学会開催はオンライン開催との併用も見受けられますが、対面開催が多くなってきました。慎重な対応が求められますが、以前のような活動が再開されます。研究活動では学会や研究集会に限らず、研究者間の対話や議論が重要です。コロナ対応で整備されたオンライン環境を有効に利用しながら直接対話の機会も増えてきます。今後の研究活動がますます盛んになると期待しています。
 今後とも、IASAIへのご理解と、ご支援を賜りますようお願いいたします。

施設

MVRラボ
 MVRラボ(Machine Vision and Robotics Lab/IASAI)は、産学連携の共同研究施設として1991年4月に誕生したCGラボの歴史と精神を継承した、共同研究施設です。
インキュベーション
 産学連携研究・大学発ベンチャーなどを支援する施設です。

規程