人工知能高等研究所は、次の特色を備えている。

□ 産学共同

いまは技術の支援なくしては、科学の進展はありえないといわれている。つまり、技術の所産−例えば高度な技術を要する実験設備−が科学技術の研究を支えるのである。技術のノウハウは産業界にあり、科学の知識は大学にある。科学が技術と融合するのと同じように、産、学が共同して研究を遂行することは、まさに、研究所のいまあるべき姿であるといえるだろう。研究所の所員は、情報理工学部教員生命システム工学部教員、産業界からの出向者、ならびに、共同研究に招かれた学部外の研究者からなる。

□ 幅広い人間研究

人工知能の研究対象を、社会的規約としての言語記号のみに限っていては、十分でない。本研究所では、音声・自然言語の研究はいうに及ばず、非言語情報媒体の解析を通して知能の形式メカニズムの究明にせまる。また言語の水準以下の情報操作モデル、例えばニューラルネットなどの研究も行う。心理面に対象をおいて、認知科学の研究が積極的に行われるし、また、画像処理技術を駆使した、情報環境における人間の動態の研究など、幅広い人間研究が行われる。

□ 自由な研究環境

研究は遊びから始まる。とくにすぐれた発想は、無目的とも思える遊びに似た研究から突然変異のように生まれる。本研究所は、この突然変異を期待して、できるかぎり自由な研究環境が保たれるよう運営される。

□ 名古屋市科学館との連携協定

人工知能高等研究所と名古屋市科学館は、人工知能など情報科学分野の教育・研究活動について2013年に連携協定を締結した。これに基き、平成3 年より共催の中京大学公開講座・ソフトサイエンスシリーズ(通算38回)をますます充実させるとともに、市民向け教室(最高の科学技術を子ども たちに!大学教授と学ぶものづくり)の共催、共同研究などを進める。

□ 若手研究者の育成

情報の科学技術の研究では、ことさら若手研究者に寄せられる期待は大きい。しかし在来の大学の教育環境では、若手研究者の育成ははかどらなかった。本研究所は、産学共同の利点を活かして、大学にのこる若手も、企業に就職する若手も、落ちついて基礎研究に没頭できる条件を整える。

□ コンソーシアム

本研究所における共同研究は、別に研究所の所員間のみで行われるとは限らない。AIの研究者は他研究機関にも、他企業にも数多く分散して存在する。 これらの研究者が自由に、相互に研究チームがつくれるようなコンソーシアムの核となることを、本研究所は目指す。



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